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Splice、なぜ使いどう使うのか — サンプル定額が実際に買ってくれるもの

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無料でサンプルを手に入れる方法は前の記事にまとめてあります。

前の記事で私たちは、リズムラボのドラム10個をCC0で揃えた話をしました。結論はこうでした。 無料なのはお金であって時間ではない。

半日かける覚悟があるなら、無料だけでも十分です。ただ、曲を作り続けていると、無料ではどうにも うまくいかない場面が出てきます。

無料ではうまくいかない三つ

一つ目、ジャンルの今の音。 CC0ライブラリはたいてい「楽器を正直に録音したもの」です。トラップの あの潰れた808、ハウスのあの特定のクラップ、ドリルのあのスライドベースのような すでにプロデュース の終わった音 はほとんどありません。自分で作ることはできますが、それはまた別の半日です。

二つ目、選択肢の幅。 スネアが一つあるのと三百あるのとでは、別の作業になります。曲に合う音を 選ぶことは良い音を一つ持つことよりずっと重要なのに、無料ではそもそも選ぶ対象が少ないのです。

三つ目、確認のコスト。 新しいパックを入れるたびにライセンスを読み、出所を疑い、本当にCC0か 確かめる時間がかかり続けます。一度や二度なら平気ですが、作り続けるとじわじわ効いてきます。

Spliceが実際に買ってくれるもの

ここでサンプル定額サービスが入ってきます。Spliceは2013年に始まり2015年にSoundsを開いて、今では この分野の事実上の標準になっています。

私たちがこれを勧める理由は「サンプルが多いから」ではありません。多いところは他にもあります。 音を探して曲に入れるまでの過程が、まるごと短くなるからです。

探す時間が消える

Spliceの検索はファイル名ではなく音の性質で絞れます。楽器(キック・スネア・ハット)、ジャンル、 そして BPMとキー までフィルタにかけられます。「今作っている92 BPMのブーンバップに合うスネア」を 見つけるのに数秒です。

フォルダを開いて一つずつ聴いていた時間が、まるごとなくなります。無料サンプルの本当のコストが この時間だったことは、経験しないとなかなか分かりません。

DAWにそのままドラッグする

デスクトップアプリで気に入ったサンプルを見つけたら、そのままDAWのトラックにドラッグすれば 終わりです。ダウンロードフォルダを開くことも、解凍することも、どこに整理するか悩むこともありません。

大したことではないようで、一日に二十回繰り返すとまったく違う作業速度になります。曲作りで流れが 切れる場所は、たいていここなのです。

曲に乗せてから決める

Splice Bridgeを使えば、DAWを離れずに今作っている曲の上にサンプルを乗せながら選べます。ブラウザで 聴いたときは良かったのに、いざトラックに入れると合わない — あのよくある無駄が減ります。

作った人にお金が渡る

これはCC0との本当の違いなので、別に書いておきます。Spliceのサンプルはサウンドデザイナーや ミュージシャンが作ってアップロードしたもので、ダウンロードされるたびにその人にロイヤリティが 渡ります。 2020年までの累計支払額は3,600万ドルを超えました。

前の記事で話したアーメン・ブレイクを覚えているでしょうか。何千曲に使われながら、作った人は一銭も 受け取れなかったあの6秒です。ロイヤリティフリーのサンプル定額は、少し大げさに言えば、その問題を 業界が後から整理した形なのです。使う側は気持ちよく、作った側はお金を受け取ります。

クレジットの回り方

ここが一番誤解される部分なので正確に書きます。Spliceは無制限の定額では なく、クレジット制です。

  • サンプルを一つダウンロードすると 1クレジット 使います。
  • MIDIパターンやプリセットは種類によって 最大3クレジット かかります。
  • 使わなかったクレジットは翌月に繰り越されます。 忙しい月に使えなくても消えません。
  • 一度ダウンロードしたサンプルは、解約しても使い続けられます。 ロイヤリティフリーなので、 そのサンプルで作った曲をリリースして収益を得ても問題ありません。
  • ただし 使わずに残ったクレジットは、最終解約から28日で消滅します。 やめるつもりなら、残った クレジットを先に使い切ってから出ましょう。

「解約したら今まで手に入れたものが全部消えるのか?」が一番の心理的なハードルですが、答えは いいえです。曲が人質になる仕組みではありません。

プランと価格

2026年7月29日時点です。価格は変わることがあるので、決済前に必ず公式ページで確認してください。

  • Sounds+ — 月12.99ドル、毎月100クレジット
  • Creator — 月19.99ドル、毎月200クレジット(初月4.99ドルのプロモーションがあることがあります)
  • Creator+ — 月39.99ドル、毎月500クレジット
  • INSTRUMENT — 月12.99ドル。これは少し毛色の違うプランで、サンプルクレジットの代わりに シンセやプリセット側が開く構成です。音を自分で作り込む作業が中心なら、こちらを見てください。 価格がSounds+と同じなので、自分が欲しいのがサンプルか楽器かだけ確認して選べば大丈夫です。

Ableton Live・Studio One・Pro Toolsとセットのプランもありますが、こちらは月のクレジットではなく 「1日最大100ライセンス」方式なので性格が異なります。

初めてなら Sounds+の100クレジットで十分 です。1曲にドラムサンプルを10個ほど使うとして、月に 何曲も作れる量ですし、余れば繰り越されるので損もありません。毎月足りないと感じるようになったら、 そのときCreatorに上げれば大丈夫です。

登録の手順

  1. Spliceでアカウントを作ります。メールかGoogleアカウントで登録できます。
  2. プランを選びます。サンプルが目的ならSounds+以上です。
  3. デスクトップアプリを入れてください。 ブラウザでもダウンロードはできますが、ドラッグ&ドロップ とBridgeにはアプリが必要です。この記事で書いた便利さの大部分はアプリにあります。
  4. DAWを開いたままアプリで検索 → 試聴 → トラックにドラッグ。これで全部です。

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まとめ

  • 無料のCC0でも曲は作れます。どこで手に入れるかは前の記事に全部書きました。
  • 定額が買ってくれるのはサンプルの数ではなく 探して入れる時間 です。BPMとキーで絞れる検索、 DAWへの直接ドラッグ、曲の上での試聴。
  • クレジットは繰り越され、解約しても手に入れたサンプルは使い続けられます。 1か月試して判断 しても失うものがありません。
  • 残ったクレジットは最終解約から28日で消えるので、出るときは使い切ってから。
  • プランを選ぶ前に、自分が欲しいのがサンプルか楽器かだけ決めれば大丈夫です。

リズムの書き方はリズムラボで練習して、そのリズムに着せる音は上から選んでみてください。二つが 出会って、ようやく曲になります。

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