時代別ヒップホップ名曲プレイリスト — 必聴の21曲
『ヒップホップの歴史』6部作、楽しんでもらえましたか? 各回で紹介した曲だけでは物足りなかった人のために、 あの記事と一曲も被らない名曲だけを新しく選んできました。オールドスクールからトラップまで、時代順に21曲。 説明は短めにします。とにかく上から▶を押してみてください。このリスト一本で、ヒップホップ40年が流れていきます。
① ルーツ:オールドスクール (1979–1984)
ビートもラップもまだ歩き始めたばかり。だからこそ生々しくて魅力的な時代です。
Grandmaster Flash & Melle Mel – "White Lines (Don't Don't Do It)" (1983)
ボンボン跳ねるあのベースライン一発で永遠に記憶される曲。どこかで聴いたことがあるはず。
Run-D.M.C. – "It's Like That" (1983)
無駄を削ぎ落とした硬いドラムと叫ぶラップ。「ニュースクール」の扉を開けた狼煙です。
Whodini – "Friends" (1984)
ねばりつくシンセのフックが中毒的な初期ヒップホップの名曲。口ずさむうちにサビを歌ってしまいます。
② ブーンバップの土台 (1988)
ドラムは重く、ラップは緻密に。「本当にうまい」と言いたくなるMCの登場です。
Slick Rick – "Children's Story" (1988)
寝物語のように淡々と語りかけるラップ。ストーリーテリング・ラップの元祖・教科書です。
Big Daddy Kane – "Ain't No Half-Steppin'" (1988)
息もつかず流れ出す滑らかなフロウ。この余裕と技術が1988年だなんて信じられません。
Boogie Down Productions – "My Philosophy" (1988)
KRS-Oneの重い声で聴く「教えるラップ」。ヒップホップが知性を誇り始めた瞬間です。
③ ゴールデン・エイジの多様性 (1992–1993)
同じヒップホップなのに色がまるで違う。ジャズ、ソウル、サイケデリック、何でもサンプルに。
A Tribe Called Quest – "Scenario" (1992)
バスタ・ライムスの爆発的な最後のヴァースが伝説。複数のMCがリレーで火をつけ合います。
Pete Rock & CL Smooth – "They Reminisce Over You (T.R.O.Y.)" (1992)
切ないサックスのサンプルに乗せた追悼曲。ヒップホップがこんなに温かく美しくなれるんです。
Cypress Hill – "Insane in the Brain" (1993)
鼻にかかった独特の声と中毒的なフック。一度聴けば「インセイン・イン・ザ・ブレイン〜」が離れません。
④ 90年代の全盛期:東と西 (1994–1995)
ヒップホップが最も熱かった時代。どの街のサウンドが好みか選んでみて。
Snoop Doggy Dogg – "Gin and Juice" (1994) [西]
けだるいGファンクの代名詞。窓を開けてドライブするのにぴったりの西海岸の余裕が満載です。
The Notorious B.I.G. – "Big Poppa" (1994) [東]
柔らかなソウルのサンプルに乗るビギーの完璧なフロウ。ラップがこんなにセクシーにもなれるんです。
Mobb Deep – "Shook Ones, Pt. II" (1995) [東]
冷たく荒いニューヨークの裏路地のサウンド。ハードコア・ブーンバップといえば真っ先に挙がる名前です。
2Pac – "California Love" (ft. Dr. Dre) (1995) [西]
2Pacの帰還を告げた超特大パーティ・アンセム。この曲を知らずに西海岸は語れません。
⑤ 2000年代:メインストリーム制覇 (2001–2008)
ヒップホップがポップ・チャートの王になった時代。実験もスワッグも最高潮です。
Missy Elliott – "Get Ur Freak On" (2001) [南部]
インドの楽器サンプルを乗せた未来的なビート。20年以上経った今も先を行くサウンドです。
Jay-Z – "99 Problems" (2003) [東]
ロックギターが鳴り響くリック・ルービン印のビートに、ジェイ・Zのカリスマ。サビが勝手に飛び出します。
Kanye West – "Gold Digger" (ft. Jamie Foxx) (2005) [メインストリーム]
速く刻んだソウルのサンプルで作った超特大ヒット。カニエ・サウンドの真髄を味わえます。
Lil Wayne – "A Milli" (2008) [南部]
「ア・ミリ、ア・ミリ…」と反復するミニマルなビートに、リル・ウェインの自由奔放なラップ。次世代の予告編。
⑥ 2010年代以降:トラップとその先へ (2017–2018)
いまのヒップホップの顔。トラップが標準になり、ラップはより多彩な物語を語り始めました。
Kendrick Lamar – "HUMBLE." (2017)
重いピアノ一発で刻まれるこの時代のアンセム。ミュージックビデオまで一つの芸術作品です。
Future – "Mask Off" (2017)
幻想的なフルートのサンプルが象徴になったトラップの代表曲。トラップ特有のけだるい中毒性を感じて。
Cardi B – "Bodak Yellow" (2017)
無名から一気に頂点へ駆け上がったシンデレラ・ストーリー。自信が爆発する女性ラッパーのアンセム。
Childish Gambino – "This Is America" (2018)
一本の映画のようなMVでアメリカ社会を突いた問題作。ぜひ映像と一緒に観てください。
ここまで21曲、いかがでしたか? 気に入った曲が見つかったら、その曲が生まれた時代の物語をもっと深く覗いて みる番です。最初から一気に観に行きましょうか?